・技術向上はアットホームな社風から
よく言われることかもしれませんが、若手のフレッシュな思考や技術と、先人のつみかさねてきた経験が融合した時の相乗効果は、想像以上の効果を生み出すこともあります。しかしそれは風通しのいい環境があって初めて成り立つことなのかもしれません。
パイテックは創業から30年以上かけて培ってきた技術力や、グループ企業である桜井鉄工所の創業から70年以上にわたり蓄積されてきた技術力で、数多くのクライアントから信頼を得る製品を作り続けてきました。そこには、“匠集団”と言われる高い技術力を持った職人とも呼べる多くの技術者がいるからです。
けれどもパイテックの匠たちはよくある師弟関係のような厳しいイメージの職人ではないようです。若手社員が、わからないことも気軽に聞くことができるようなアットホームな雰囲気があり、先輩や上司も丁寧に教えてくれます。
この風通しの良さが、難しい加工をこなせる人材育成のかなめになっているのかもしれません。先輩や上司が怖くて何も聞けないような環境では、どんなにすごい技術をもった先輩がいたとしても、それを受け継いでいくのは難しくなってしまいますよね。
・独自の加工技術の継承
パイテックは加工精度や産業ロールの鏡面仕上げの技術力が高く評価されているだけでなく、自社としても自信をもってその技術力を提供しています。
それには、得意とする独自の加工技術があるからです。これから先も変わらぬ精度の製品を提供していくためには、長年培ってきた技術をしっかりと伝えていくことが必須とも言えます。穏やかな社風が、そういった特別な技術の継承も行いやすくしているのでしょうか。
・最後はヒトの手!
機械の能力には限界があります。1000分の1といったミクロンな誤差を修正するようなシビアな仕事を仕上げるには、熟練の技術者の腕が欠かせません。長年の経験から生まれるスキルや工夫で、細かな最終工程を仕上げていくのです。
特に、相当な技術を要する大口径ロールや長尺シャフトの最終仕上げができる人材はそう多くはありません。難易度の高い仕事であるということは社員のだれもが理解していることのようです。だからこそ、グループ全体をあげてトップクラスの製品を生み出す“匠を育てること”に心血を注いできました。
ここでも社風のアットホームさが一役買っているようで、定期的に匠による実践レクチャーや技術研究会、加工技法の見直しなどを行い技術の継承を試みています。
長年培われてきた技術はそれ自体がお手本で教科書のようなもの。身近に匠がいることとコミュニケーションのとりやすさで、優れた加工技術は次世代に受け継がれています。一人でも多くの匠が育つことは、日本のモノづくりの土台を強化することにもつながるかもしれませんね。