・自信の生産能力
パイテックをはじめサクライグループでは工作機器のNC化を推進しているようです。NCとはプログラミングされたとおりに自動加工を行ってくれる機械のことです。普通の工作機械は手動で加工していくものですが、コンピューター制御であるため一人で複数の機器を動かすことも可能となります。
大量の製品を普通の工作機器で製作することは、体力的にも精神的にもかなりの負担となるものでした。そもそも手動ですから、一人で一台にかかりきりになるので大量に生産すると言っても限界があります。パイテックでもNC旋盤を複数所持することで生産効率を上げ、同じクオリティのものを複数作ることができます。
こうしたNC化に加えて昼夜2交代制をとることで、さらなる生産能力の向上に努めているようです。常に効率を考え、大量生産を意識した仕組みづくりをすることで、突発的な案件にも対応できる体制になっているのです。
・連携する強み
サクライグループは桜井鉄工所、パイテック、伸明ロール工業の3社から成り立っています。そのため、突然の注文で使わなければならない機械が稼働中でも、グループ内で連携し仕事を振り分けていくことで製作に必要な生産能力を確保することができるようになっています。
それぞれが独立した生産性を持ちながら、緊急の場合や短納期受注に際して、連携してフルに活用することで生産していくという仕組みは大きな強みと言えるでしょう。
“西のサクライ”と呼ばれるほど、とくに西日本において大きなシェアと技術力を誇るサクライグループを支えているのは、こうした柔軟な生産能力の確保も重要な要因になっているようです。
もし何かトラブルがあったとしても、連携することや補い合うというグループ内での協力体制がとれているということが、発注する側からの安心感や信頼感にもつながっているのではないでしょうか。
・スマートなロジティクス
ロジスティクスと呼ばれる無駄のない生産・配送などを行うという仕組みは、産業業界においても欠かすことにできない大事な要素となっています。
どんなに短期で製作したとしても、物流に多くの時間と費用がかかってしまっては意味がありません。特に大口径や長尺のロールなどを搬送することは、簡単に誰にでもできることではありません。
サクライグループではグループ内で自社トラックを保有しているので、完成した製品は他の搬送業者を通すことなく、責任をもってクライアントの元に届けることができる仕組みになっています。
トラックも2t、3t、3.5t、8t、25tと製品に合わせて対応できるものを保有しているようです。
夜間の配送や緊急の場合の即時配送など、クライアントのニーズに沿った搬送が可能となっているのも、グループで連携がとれていることで無駄を省いたスマートな仕組みが構築されていることが要因ともいえるでしょう。