品質管理の徹底はこうして行う

・品質管理・品質保証は人材育成から

モノづくりをしている以上どんなにオートメーション化されても、人の手が全くかかわらない製作現場というものは、ほとんど存在しないのではないでしょうか。

プログラミングなどによりフルオートに旋盤や研削を行う場合でも、プログラミングで機械に指示を与えているのは人です。さらにパイテックでは多くの場合技術者の手による緻密な加工がなされますから、高品質なものを維持し続けることができるかどうかは、その時かかわる人の意識が重要な要素だといえるかもしれません。

個人個人が素晴らしい製品を製作するのだという強い向上心と、それに見合った技術を身につけていることがパイテック製品の品質保証につながっているともいえます。
もちろん意気込みだけではありません。実質的な技術向上を確実なものにするためにも技能検定の取得を推奨・支援しているそうです。
技能検定とは働く人たちが持っている技能を、一定の基準を満たしているかどうか検定し、国としてそれを証明するという国家検定制度ですから、取得することができれば身についている技術が確かなものであるという証明になるでしょう。

・品質維持は技術の現状維持ではない

高品質で高付加価値の製品を作り続けるということは、今ある技術やノウハウを維持しているからできるというものでもありません。
どんな業種でも同じであるように、常に進歩し動き続けているわけですから、今日の技術が一年後には通用しないかもしれないのです。
培ってきた技術の蓄積と共に、スキルアップに努めていくことが明日の製品の、品質維持にもつながっていくともいえるでしょう。

パイテックの人材育成は、自己啓発や業界研修、工業界・各種セミナーなどを活用して、すべての社員がスキルアップやキャリアアップしていけるような人材育成に努めているようです。
一人一人の技術や意識を高めていくことが、会社全体の総合力を押し上げ、確かな品質管理を実現しているのかもしれません。

・品質方針と品質管理の大切さ

パイテックは所属するサクライグループの品質方針として

〇クライアントの求める品質と納期に応えられるような管理体制をとること
〇品質マネジメントシステムを構築し実行すること、維持すること、継続的に改善を行うこと
〇すべての従業員の品質に対する意識を高めるための教育を惜しまないこと

などを念頭に置いているようです。

また、品質マネジメントシステムの国際規格である「ISO9001」を取得・維持し続けていることも、品質管理への徹底した意識の表れと言えるのではないでしょうか。当たり前のことを確実にやり続けるというのは、大切であり大変なことでもあります。
例えばスポーツをするとき、基礎トレーニングを続けることは地味で面倒で、手を抜きたくなるものですよね。しかし本当に手を抜いてしまって満足のいくパフォーマンスができないとき、これがプロのスポーツ選手なら信頼を損なうことにもなりかねません。

品質管理も徹底して続けていくことは、どこか煩わしさがつきまとうものでもあります。しかし、品質管理を怠ることはモノづくりの土台を崩してしまうことにつながっているのです。どんな分野においても当たり前の品質管理を、かかわる人すべてが高い意識で徹底して行えるのが理想的な状態といえるのではないでしょうか。

おすすめ参考サイト→→→ 株式会社パイテック – Buzip 大阪の社長.tv

長年受け継がれてきた技術

・技術向上はアットホームな社風から

よく言われることかもしれませんが、若手のフレッシュな思考や技術と、先人のつみかさねてきた経験が融合した時の相乗効果は、想像以上の効果を生み出すこともあります。しかしそれは風通しのいい環境があって初めて成り立つことなのかもしれません。

パイテックは創業から30年以上かけて培ってきた技術力や、グループ企業である桜井鉄工所の創業から70年以上にわたり蓄積されてきた技術力で、数多くのクライアントから信頼を得る製品を作り続けてきました。そこには、“匠集団”と言われる高い技術力を持った職人とも呼べる多くの技術者がいるからです。
けれどもパイテックの匠たちはよくある師弟関係のような厳しいイメージの職人ではないようです。若手社員が、わからないことも気軽に聞くことができるようなアットホームな雰囲気があり、先輩や上司も丁寧に教えてくれます。
この風通しの良さが、難しい加工をこなせる人材育成のかなめになっているのかもしれません。先輩や上司が怖くて何も聞けないような環境では、どんなにすごい技術をもった先輩がいたとしても、それを受け継いでいくのは難しくなってしまいますよね。

・独自の加工技術の継承

パイテックは加工精度や産業ロールの鏡面仕上げの技術力が高く評価されているだけでなく、自社としても自信をもってその技術力を提供しています。
それには、得意とする独自の加工技術があるからです。これから先も変わらぬ精度の製品を提供していくためには、長年培ってきた技術をしっかりと伝えていくことが必須とも言えます。穏やかな社風が、そういった特別な技術の継承も行いやすくしているのでしょうか。

・最後はヒトの手!

機械の能力には限界があります。1000分の1といったミクロンな誤差を修正するようなシビアな仕事を仕上げるには、熟練の技術者の腕が欠かせません。長年の経験から生まれるスキルや工夫で、細かな最終工程を仕上げていくのです。
特に、相当な技術を要する大口径ロールや長尺シャフトの最終仕上げができる人材はそう多くはありません。難易度の高い仕事であるということは社員のだれもが理解していることのようです。だからこそ、グループ全体をあげてトップクラスの製品を生み出す“匠を育てること”に心血を注いできました。

ここでも社風のアットホームさが一役買っているようで、定期的に匠による実践レクチャーや技術研究会、加工技法の見直しなどを行い技術の継承を試みています。
長年培われてきた技術はそれ自体がお手本で教科書のようなもの。身近に匠がいることとコミュニケーションのとりやすさで、優れた加工技術は次世代に受け継がれています。一人でも多くの匠が育つことは、日本のモノづくりの土台を強化することにもつながるかもしれませんね。

グループの総力で仕上げる

・自信の生産能力

パイテックをはじめサクライグループでは工作機器のNC化を推進しているようです。NCとはプログラミングされたとおりに自動加工を行ってくれる機械のことです。普通の工作機械は手動で加工していくものですが、コンピューター制御であるため一人で複数の機器を動かすことも可能となります。

大量の製品を普通の工作機器で製作することは、体力的にも精神的にもかなりの負担となるものでした。そもそも手動ですから、一人で一台にかかりきりになるので大量に生産すると言っても限界があります。パイテックでもNC旋盤を複数所持することで生産効率を上げ、同じクオリティのものを複数作ることができます。
こうしたNC化に加えて昼夜2交代制をとることで、さらなる生産能力の向上に努めているようです。常に効率を考え、大量生産を意識した仕組みづくりをすることで、突発的な案件にも対応できる体制になっているのです。

・連携する強み

サクライグループは桜井鉄工所、パイテック、伸明ロール工業の3社から成り立っています。そのため、突然の注文で使わなければならない機械が稼働中でも、グループ内で連携し仕事を振り分けていくことで製作に必要な生産能力を確保することができるようになっています。
それぞれが独立した生産性を持ちながら、緊急の場合や短納期受注に際して、連携してフルに活用することで生産していくという仕組みは大きな強みと言えるでしょう。

“西のサクライ”と呼ばれるほど、とくに西日本において大きなシェアと技術力を誇るサクライグループを支えているのは、こうした柔軟な生産能力の確保も重要な要因になっているようです。
もし何かトラブルがあったとしても、連携することや補い合うというグループ内での協力体制がとれているということが、発注する側からの安心感や信頼感にもつながっているのではないでしょうか。

・スマートなロジティクス

ロジスティクスと呼ばれる無駄のない生産・配送などを行うという仕組みは、産業業界においても欠かすことにできない大事な要素となっています。
どんなに短期で製作したとしても、物流に多くの時間と費用がかかってしまっては意味がありません。特に大口径や長尺のロールなどを搬送することは、簡単に誰にでもできることではありません。

サクライグループではグループ内で自社トラックを保有しているので、完成した製品は他の搬送業者を通すことなく、責任をもってクライアントの元に届けることができる仕組みになっています。
トラックも2t、3t、3.5t、8t、25tと製品に合わせて対応できるものを保有しているようです。
夜間の配送や緊急の場合の即時配送など、クライアントのニーズに沿った搬送が可能となっているのも、グループで連携がとれていることで無駄を省いたスマートな仕組みが構築されていることが要因ともいえるでしょう。

一貫生産できるワンストップサービスの魅力

・流通・生産に求められるもの

さまざまな業界において、何かを生産する時そこにはさまざまな過程が存在します。営業がクライアントから注文を受けると、まずはどんな製品に仕上がることを期待しているのか、ヒアリングするとともに企画を作り上げます。その企画をもとに設計をし、必要な原料を仕入れます。
作業が開始しても生産の管理や工程の確認は欠かせません。また、必要に応じて別の製造会社に委託して、バラバラに作り上げたものを組み上げるという工程をとることもあります。技術力に応じて、さまざまな企業に各工程を依頼することもあるでしょう。

こうして作りあがったものは徹底した品質確認が行われ、クライアントの元に届けられます。もちろん納品したから終わりというわけではありません。工業製品ではその後きちんと稼働するかといったアフターケアなども必須となってきます。
もちろん業種によって多少の違いはありますが、一般的な製造業はこのような流れになっていると言えます。どうしても複雑になってしまう過程が存在する中で、できるだけ無駄を省きシンプルにすることで生産速度の向上や、コスト削減を図るといった取り組みも行われています。

・用意するのは丸棒一本

パイテックには熟練の技術者が多く存在します。また、若手の技術者たちもその技術を大切に継承していっているのです。
それには、会社内での風通しの良さや、自分たちの仕事が原子力発電所や製鉄・製紙業など、重要な産業の一部を担っているという誇りも受け継がれているからとも言えます。もちろん、各工程に適応した設備の充実も重要だといえるでしょう。
そのため、材料調達以外の研削や鏡面研磨、旋盤、フライス、バランス、仕上げや検査に至るまですべての工程をおこなえる一貫生産体制を行っているようです。どの作業においても高レベルを維持できる体制が、こうした一貫生産を維持する土台となっているのかもしれません。

また、パイテックでは所属するサクライグループでの連携で、搬入搬送までも可能なようです。まさに、原材料である丸棒1本用意すれば、あとは納品までパイテックに任せてしまえるという、クライアントにとってはとても明確で手間も省くことができるサービス体制が整っているのです。
一貫して任せることができるので、コストの削減はもちろん短い期間での納品も可能にし、工程管理を省略することでクライアントからも喜ばれているようです。

先にもお伝えしましたが、産業においてシンプルな生産工程にすることは大切な要素です。こうしたパイテックのワンストップサービスの仕組みは理想的な生産体制といえるのかもしれません。

コストと環境を考えた補修・再生

・さまざまな分野で叫ばれる再生利用

環境問題を考えたとき、プラスチックごみ問題、食品ロス、大気汚染問題など、近頃話題になったものを考えただけでも数多くあります。一人一人が意識を向け、ごみを分別することや物を大切にすることなど身近なことからもできることはたくさんあります。
もちろん企業においても、こうした問題への取り組みは常に試行錯誤されてきました。機械産業においても、使えなくなったものをもう一度使えるようにメンテナンスすることで、大幅な資源の節約につなげています。

工場などでは設備保全の観点からも、ちょっと調子が悪いけどまだ大丈夫かな?といった考えは許されません。劣化具合によって交換したり、一定期間使用したら取り換えるなど厳しい基準によって交換は行われています。
しかしそうやって交換されたものでも、再加工を加えることでまた使用できたり、別の製品として再生させることも可能なのです。まだ使えるものを捨てないという日本人らしい“もったいない”という精神は、最新鋭の技術を誇る機械産業においても根付いているのかもしれません。

・パイテックの補修・再生技術

パイテックは研削や旋盤における高い技術を誇っています。その技術力は長年にわたり、多くの企業と信頼関係を築き続けていることからもうかがえます。培ってきた高い技術は最新鋭で高度な製品を生み出すだけでなく、再生利用することにも役立っているようです。
表面の傷や軸のいたみなどで使えなくなったロールやシャフトなどを、使用できる状態まで補修し生まれ変わらせるための取り組みも行っています。
研削や旋盤機器、プラノミラー、バランスマシーンなどを駆使して、鍍金を施したり、溶射を行ったり、肉盛りを行うことで摩耗した部分などを補修するといった、ダメージのある製品を元に戻すお手伝いをしているのです。
また、別の製品に再生するといった取り組みも行っているようです。技術力に自信のあるパイテックだからこそ、どんな再生・補修にも幅広く対応できるのかもしれません。

・コスト削減にもつながる再生利用

どんな産業においてもコスト削減は重要な課題であり、必ずといっていいほど念頭に置かれるものです。身近なものをとっても、新品を購入するよりはリサイクル品を購入したり、修理して使用した方がコストがかからないことは誰もが知っています。
大規模な投資となる工業機器においては、修理や補修を施してまた利用することができれば、大幅なコスト削減になることはいうまでもありません。
同時に資源を大切にするという環境への配慮にもつながります。パイテックで行っている補修・再生業務も年々増えているとのこと。それだけ企業のニーズが高いことがうかがえます。使えるものを使いつつ新しいものに目を向けていく取り組みは、これからも重要視されていくでしょう。